
商社ってよく聞くけど、何のために存在しているの?何をやっているの?

商社の仕事って色々あるけど、今回は鉄鋼ビジネスにおける商社の存在意義を解説するよ。
面倒ごとは商社に任せろ!
商売全てに言える事だと思いますが、
仕入れ、物流手配、加工手配、在庫管理など色々な作業は手間も掛かるしめんどくさいものです。
そんな面倒なことを全て請負います!
と、登場するのが商社です。
商社にも総合商社、専門商社とありますが、
ここではわかりやすく鉄鋼専門商社としての役割を解説します。
商社の役割
商社の役割は、先ほども述べましたが、あらゆる面倒ごとを請け負う事です。
この鉄鋼業界における商社の役割はざっと以下の通りです。
- 需要家開拓
- 需要家のケア
- 仕入れ
- 在庫管理
- 加工手配
- 運送手配
- 小ロット対応
- 情報提供
そしてこの役割には、メーカー、需要家にそれぞれメリットをもたらしております。
メーカー目線でのメリット
・需要家開拓
メーカーは商社に販売するだけでいい、というメリットと
この「需要家開拓」というメリットがあります。
商社に任せておけば、彼らが日々の営業活動の中で需要家を開拓もしくは拡販してきます。
そして商社が持ってきた需要家への商売を検討し、価格を決め、販売します。
それを繰り返すだけでメーカーはあまり手間をかけずに商売を拡大させていくことが可能になるわけです。
・需要家のケア
商社の日々の営業活動の中に、「需要家のケア」も含まれております。
よくある、ルート営業ってヤツですね。
ルート営業の中で困りごとはないか、どんな新規案件を抱えているか細かくヒアリングし、
解決に向けて提案活動を実施します。
そうした日々のケアがあるので、その需要家はまたその商社からモノを買ってくれます。
そうなればメーカーは継続した商売を続けられて安心というわけです。
需要家目線でのメリット
・仕入、在庫管理、加工手配、運送手配
ざっと4つの項目を書きましたが、シンプルにこの手間が省けます。
需要家は商社に対して、注文書をピッと送ってしまえばそれで終わりです。
僕たちがアマゾンや楽天などで欲しいものを買う感覚と同じです。
・小ロット対応
商社がもっとも需要家に重宝される機能はこれかもしれません。
いずれ詳しく説明しますが、高炉メーカーから材料を仕入れる最小ロットは基本的には10tです。
たとえば、月に500kgしか鉄を使わない場合、10tの鉄を買ったら消化に20ヶ月掛かります。
これも後ほど説明しますが、鉄の賞味期限はだいたい3ヶ月です。
20ヶ月も保管していたらサビます。
サビるとやはり使えなくなるので、17か月分=8,500kg分がムダになってしまいます。
商社はたくさんの需要家を持っています。
そのため、たとえ10tの材料を買ったとしても、A社に3t、B社に2t、C社に1t、
という風に分散させることが出来るのです。
この機能があるため、「500kgだけ欲しい!」というニーズにも対応できるのです。
このメリットにより、商社としても販売できる需要家が増えるため、
結果として拡販につながっていくわけです。
・情報提供
最後に、この「情報」の提供。
商社は色々な仕入ソース、幾多の業種の需要家を持っているので幅広い情報が集まります。
この業界は今こんな感じ、あの会社はこういう方針で~等、商社の人間と話すことにより
色々な情報を得ることが出来ます。
例えば自動車部品を作っている会社が、家電部品もやっていきたいとなった時、
家電業界の情報、さらにはその業界でしか伝わってないことなどを簡単に入手することが出来るのです。
また、ライバル会社の情報を持っていることもあります。
答えられる範囲で答えてくれるのでそういった情報も聞いてみる事が可能になります。
中小・零細企業となると、自分たちのところには下りてくる情報が少なかったり、
そもそも知りえない情報もあるわけです。
商社はモノを売るのも仕事の一つですが、情報提供もかなり重要な仕事の一つとなっております。
以上が商社の存在意義となります。
商社を間に入れるデメリットというのも実は存在するのですが、それはまた別のお話ということで。
それではこの辺で失礼致します。
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